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2005年第2回抄録

演者一覧:
山崎長郎
松本邦夫
園延昌志
白鳥清人

演者:山崎長郎D.D.S.

< 複雑な補綴を成功に導く臨床的基準 >
Clinical Guidelines for Managing Complex Restorative Patient

抄録:
 始めに(Abstract)
 現代の歯科修復治療には、マテリアルの革新・開発により大きな変化がもたらされている。しかも、その発展と進歩の速度は、我々歯科医、歯科技工士の予想を遥かに超えるものとなっている。また患者サイドにおいても、様々な媒体・分野からの情報・知識により、従来の修復治療に、より更に高いレベルの審美性を望む声が高まっている。
 しかしそれは一方、ある種の危険性を孕んでいる。つまり審美性を追及するあまり、治療の本質を歪めかねない、という事である。審美修復治療と言えども、機能・構造力学・生物学等考察を合わせ持つものでなければ真の修復治療とは言い難い事は自明の理である。
 それ故、今こそ、これらを踏まえた審美修復治療の臨床的基準を確立する必要があり、同時に、症例が複雑で困難になる程、修復治療の前、中、後、それぞれのステップにおける、各分野 ( 矯正・歯周・インプラント等 ) との連携が肝要となる。より洗練された審美修復治療達成の鍵を握るのは、各専門医との綿密・詳細な診断治療計画の練り合わせなのである。
 今回は、Dr.Kay の Altered Dental Esthetic Classificationを私なりに再構成し、症例の区分・分類法を新たに加え、併せて、最新のマテリアルをその使用方法と共に解説しようと思う。

演者:松本邦夫

『 審美修復治療におけるトゥースポジションの重要性 』
− Comprehensive treatment of spaced arch, with congenital missing teeth, utilized orthodontics and implants. −

抄録:
近年、審美修復治療を行う場合、歯牙の色調・形態だけでなく顔貌や口唇との調和が求められている。そのためにはフレームワークである顔貌などの診査はもちろんのこと、歯牙のポジションが最も重要な要素の一つとなると考える。しかしながら、日本人の現状では補綴のみでそれを改善することは困難であることも多く、矯正医との連携(Interdisciplinary Approach)により、その効果を最大限に引き出すことが重要であろう。
今回、矮小歯と先天性欠損( 17, 23, 27, 35 )を伴う空隙歯列弓において、矯正により、スペースをコントロールし、インプラント・ポーセレンラミネートベニアを用いながら審美修復治療のゴールを得た症例を報告したい。
 Key words
・ Diagnosis wax-up
・ Bolton analysis
・ Golden proportion
・ Implant space

世田谷区開業 松本邦夫

演者:園延 昌志

Biologic Widthの考え方
〜文献による考察をふまえて〜

抄録:
現在、Biologic Widthという言葉は、すでに歯科医療従事者間で共通語となっていると思われる。そのコンセプトも確立され、いくつかの文献において提示された数値もコンセンサスが得られている。自分も知識としては理解していたつもりであったが、このコンセプトを臨床において、どう扱っていけばよいのか曖昧であった。
症例は当時、27歳、女性の患者で、主訴は前歯を長くしたいということであった。上顎前歯の萌出遅延を伴い、いわゆるGummy Smileの状態であった。Biologic Widthが平均的な距離よりも長かったため、歯肉切除により根尖側方向への歯冠長の延長を行い、切縁側には形態修正を目的としたコンポジットレジン充填を行った。術直後の状態は根尖側へ歯冠長が延長し、切縁の形態も修正され、その結果Gummy Smileも改善し、患者の満足も得られた。しかい、術後約1年後には、歯肉の位置がほぼ術前と同じ位置に後戻りをしていた。
今回の症例を通じて、文献で述べられている数値は、平均値であり、必ずしも目の前の患者に当てはまるわけではないことを実体験した。またその数値は治験においての一定の基準内で導き出された値であるため、ある側面を現しているにすぎない。臨床においては、患者固有の状態を把握し、情報を多面的に分析、評価する必要があると思われる。
そこで、自分なりに後戻りの原因、また再治療計画を、文献なども参照しながら考察、施術した結果を提示し、御参加の先生方の御指導、御批判、を賜りたい。

日高歯科クリニック 園延 昌志

演者:白鳥清人

Restoration Driven Implant Placement
Shiratori Dental Implant Center
Kiyoto Shiratori

抄録:
現在、インプラント治療は、その臨床成績の高いことから確実に治療オプションの1つとして確立されてきた。さらに昨今では、精巧で多種多様なコンポーネントと高度な技術の開発、患者の審美性への要求により、機能の再建とともにより高度な審美性を追及する必要性が高まっており、”esthetic implant dentistry”という言葉が定着しつつある。しかしながら、これらの技術の進歩は、最終的に過剰な手術侵襲を与えていたり、“過剰な審美”になる危険性も含んでいる。時間、コスト、患者への侵襲などの軽減と予知性の高い機能と審美性の獲得の両極面が、今インプラント治療に求められている。欠損歯列の治療において、天然歯の状態に戻すためにどこまで行けばよいのだろうか。どこまでいけるのだろうか。また、どこまで行くべきだろうか。もし技術的に可能であってもそのことが本当に患者にとって有益なのか、もう一度問いただす必要がある。
 白鳥歯科インプラントセンターは、インプラント治療に特化することで、設備と人的パワーの充実を図り、よりシンプルで予知性、審美性の高いインプラント治療を行い、また常にオープンスペースとして見学者の受け入れと研修の開催により、これからインプラント治療に取り組もうとする先生方の知識、技術の向上とセンター自身の質の向上、さらに、総合病院、あるいは大学病院の口腔外科と一般臨床医の中間的役割として医療連携をとりながら、患者のQOLの向上に貢献してすることを目的としている。
今回は、GarberとBelserの論文中の“Restoration Driven Implant Placement”をタイトルとして、センターの紹介と臨床症例を示しながら、理想的な最終インプラント補綴のための外科術式について報告し考察していきたいと思います。

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